『ローザ』 ニッキ・ジョヴァンニ 光村教育図書
今よりももっと人種差別が激しかった時代のアラバマ州モンゴメリーで、一人の黒人女性、ローザは、仕事帰りに乗った市バスで、白人男性に席をゆずるのを拒み逮捕されました。ローザの逮捕に、世の中の不平等を感じていた多くの友人・知人たちは立ち上がり、バスに乗らずに歩き続ける、というバス・ボイコット事件を起こしました。そして、ローザ逮捕から約一年後、最高裁判所は、『バスの席を、人種によって分けるのは違法。肌の色はどうであれ、人間はみんな平等なあつかいを受けなくてはならない』という判決を伝えました。ローザの勇気ある「ノー」のひと言が、社会全体にかかわっていった様子を描いた絵本です。この絵本を読んだ時、ふと思い出したことがあります。とある会議の場で、著名願いの用紙が回ってきたのです。
会議は進行中で、用紙は、流れ作業のように動いています。ゆっくりと用紙に書かれた文章内容を読んでいる間は、どう見てもありません。そして、自分の所に回ってくるまでの間に、沢山の方々の著名が記されています。私は、たまたま以前より著名しようと思っていた事柄だったので迷いなく著名をしたのですが、もし、書く意志のないものだったら、もし、どんな事柄が認識のないものだったら、いったい私はどうしたんだろう?「よくわからないけれど、いいや、みんなが書いているんだもの。えーい右になられ~」と著名していたら、これって、ちょっと怖くない?と思うのです。人種問題、差別問題……、この奥の深い大きな課題を含む「ローザ」を読んだ子供たちが、自分の身近な事柄でいいから、連想・空想の翼を広げ、何かを感じ取り、そして考える機会になりますように。
子供たちに大人たちに広く読み継がれてほしいと思った一冊です。
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