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zoom RSS ☆書評☆季節風119号掲載『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』村岡恵理・著 新潮文庫

<<   作成日時 : 2014/08/01 22:00   >>

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書評 日本の子どもたちにこの本を 
            あだちわかな
『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』
       村岡恵理・著 新潮文庫

本書は、『赤毛のアン』の翻訳者・村岡花子氏の生涯を描いた伝記作品です。平成二六年五月現在放映されている、朝の連載テレビ小説『花子とアン』の原案で、今、注目を浴びている一冊であります。
私は、小学生の頃に、『赤毛のアン』を世界名作テレビ劇場で楽しんだ世代です。
アンの、空想好きでポジティブな性格にひかれ、小説も全巻拝読しました。
「曲がり角のむこうになにがあるか、今はわからないけど、きっとすばらしいものが待っていると信じることにしたわ。それに道が曲がっているというのも、なかなかいいものよ、マリラ。あの角を曲がったら、その先はどうなっているんだろうと思うもの」
 この、アンの名セリフは、大人になるまでに、ことあるごとに思い出し、元気と勇気をもらってきました。
しかし当時の私は、翻訳者に関心がなく、本書で初めて、村岡花子の、アンと重なるひたむきな生涯と、『赤毛のアン』がどのようにして生まれたかを知りました。
村岡花子は、明治二六年に甲府で生まれ、十歳の時、東洋英和女学校に奨学生として入学、二〇歳で卒業するまで、カナダ人教師のもとで勉学に励み、英語の力を身につけました。
卒業後、小学校教師を経て出版社に勤務、福音印刷の経営者・村岡儆三と結婚し、長男・道雄を出産。
関東大震災で福音印刷を失い、再建のさなか、道雄を疫痢で亡くします。
花子は、深い悲しみから立ち上がると、亡き道雄への想いを込めて、日本の子どもたちに海外児童文学を届けようと、翻訳に励みます。
 そして、昭和一四年、第二次世界大戦開戦。敵国になってしまった花子の友人、カナダ人宣教師・ミス・ショーが帰国するときに、
「いつかまたきっと、平和が訪れます。その時、この本をあなたの手で、日本の少女たちに紹介してください」
と、花子に託したのが、モンゴメリ作『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』でした。
 花子は、戦時の灯火管制の中、『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』を翻訳します。
戦後、戦火から守りとおしたその原稿を出版社にもちこみますが、どこの出版社も見向いてくれませんでした。
昭和二七年、ようやく、三笠書房より『赤毛のアン』が刊行され、ベストセラーとなりました。
 本書の著者・村岡恵理氏(一九六七年生まれ)は、村岡花子のお孫さんです。
祖母であり、名作『赤毛のアン』の翻訳者である花子の生涯を、花子の家族やカナダ人宣教師の人生、白蓮事件で知られる歌人・柳原Y子と花子の友情、花子の初恋と失恋と再会、夫・村岡儆三との熱愛模様などを織り込んで描いています。
晩年の花子の活躍と家族の様子も、お孫さんならではのエピソードを添えて記しており、全編を楽しみながら読むことができます。
また、明治・大正・昭和の、児童文学の発展にまつわる時代ごとの背景をバックに、
「日本に、子どもと母親のための家庭向きの本を!」
「日本の子どもたちに、子どもたちが喜ぶ物語を!」 
と奮闘した人々の姿が描かれており、児童文学の書き手としても血が騒ぎました!
本書は、本書を子供向けに書きなおした『赤毛のアンと花子』(村岡恵理・著 学研)が出版されています。あわせて子どもたちに紹介していきたいと思います。きっと、どんな時も希望を見失わずに生きたアンと花子が、子どもたちに、わくわくドキドキする元気の素を、分けてくれること思います!



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戦争へと向かう不穏な時勢に、翻訳家・村岡花子は、カナダ人宣教師から友情の証として一冊の本を贈られる。後年『赤毛のアン』のタイトルで世代を超えて愛されることになる名作と花子の運命的な出会いであった。多くの人に明日への希望がわく物語を届けたい―。その想いを胸に、空襲のときは風呂敷に原書と原稿を包んで逃げた。情熱に満ちた生涯を孫娘が描く、心温まる評伝。 (データーベースより)

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カナダの作家、ルーシー・モード・モンゴメリの書いた『赤毛のアン』を読んだことがありますか? 赤毛でやせっぽちのアンという孤児の女の子が、優しい養父母と出会い、元気に成長していく物語です。
この作品を、初めて翻訳して日本に紹介したのが、村岡花子です。花子は、幼い頃から文学的な才能をあらわし、カナダ人宣教師がつくった東洋英和女学校で勉強し、英米文学とその環境にふれます。短歌も学ぶことで、鋭い日本語のセンスも合わせてみがき、英語で書かれた文学を、わかりやすい日本語にして読者に届け始めます。特に、日本にあまりなかった子どもや女性に向けた物語を美しい日本語で紹介していきます。
第二次世界大戦が始まると、お世話になったカナダ人の先生がたや同僚は、次々と母国に帰ってしまいます。そのときに手渡されたのが、『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』。敵国語が禁じられるなか、花子は隠れて翻訳を続けます。先の見えない生活のなかで、この本から大きな夢や希望をもらっていたのです。そして戦後7年がたったとき、この物語は『赤毛のアン』として出版されるや日本の女性たちの心をつかみ、ベストセラーとなります。花子が元気をもらったように、この物語はたくさんの人々の心に残る物語となったのです。
本書では、「アン」と花子の不思議と似ている点について紹介しながら、花子の生涯を紹介しています。著者は、村岡恵理さん。村岡花子の孫にあたる恵理さんは、『アンのゆりかご』という本で、花子の一生について本を書きました。本書は、その児童書版ともいうべきもので、『赤毛のアン』を読んだ人も、これから読む人にも楽しめる物語になっています。(内容紹介より)
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